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中村健太 写真展『ハロー、グッバイ。』東京巡回2019年6月11日(火)〜6月30日(日)
※最終日18時まで

死は私たちに何をもたらすのでしょう?

私の祖母は、2018年5月に亡くなりました。
体調を崩してから長かったのと、死に際が穏やかだったこともあり、お通夜・葬式と終始和やかでした。

私が東京の表参道ヒルズでの個展を控えた1ヶ月前のことでした。
メインビジュアルを祖母にしていた写真を、彼女が生きているのか死んでいるのか意識されることなく多くの方が見てくれました。
それは私にとって非常に不思議な体験でした。

一般的に「死」は「生」よりも受け入れ難い印象があります。しかし、祖母の死を境に、それを「悲しい出来事」「縁起の悪いこと」というように、一方向では測れないものとして捉え、「生」と「死」を、始まりもなければ終わりもない「輪」のような関係だと考えるようになりました。

これらの写真はその痕跡です。

中村健太

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アートの見方が分からない、そんな声を聞くことがあります。アートと自分の間には様々な関わり方がありますが、その一つが「自分との対話」だと思います。作品には作家の思いが根底にあるものが多いですが、それに辿り着くことは醍醐味であれど、必ずしもその行為だけが正解とは限らない。作家が何かを込めて制作した作品の一部に自分の一部が共鳴して、何かの感情がうみだされる。その感情をゆっくりと噛み締めることが、アートと関わった時の「自分との対話」なのだと思います。それは気持ちのよい感情かもしれないし、そうでないかもしれない。思い出すのは昨日食べたカツ丼だったり、昨年亡くなった愛猫かもしれない。生まれた感情には良いも悪いもなく、ただ受けとめるだけでいいのです。そして、中村さんの写真たちは、私たちを小さく揺らしながら、生まれたすべての感情を許容してくれる、やさしい作品のように感じます。ぜひ一度、足をお運びください。

プロフィール
中村 健太(Kenta Nakamura)

ご挨拶ーーーーー
私の撮影スタイルは日常の中の違和感、鮮烈なイメージを切り取っています。私は自分の作品をコミュニケーションツールの1つとして考えています。受け手の様々な感情を誘発して、双方向な対話がとれたら幸いです。

BIOGRAPHYーー
伝統と革新を追求し現代のニーズに合わせた写真を発信している photo studio LOBJET の名物カメラマン。2016年イタリア版『VOGUE』が選ぶベストフォト100、「PHOTO VOGUE」のフォトグラファーベスト30に選出された。3D メガネを使ったシリーズ「Your story」が注目を浴び、『It’s Nice That』をはじめ、さまざまなメディアで取り上げられた。主な個展に、「Your story」(Nizhny Tagil Museum o f Fine Arts、ロシア、2017年)などがある。

Solo Exhibitions -個展歴-
2019 Hello, Goodbye. @in the past (福岡)
2018 Ping. Ping. @表参道ROCKET (東京)
2017 Your story @Nizhniy Tagil Museum of Fine Arts (ロシア)
2017 Mitsugetsu @Space Place Gallery (ロシア)
2017 Your story @Kitchen Stella (北九州)

Selected Group Exhibitions -グループ展歴-
2018 BEYOND 2020 BY JAPANESE PHOTOGRAPHERS #6 @ (アムステルダム、パリ、東京)
2018 JAPAN PHOTO AWARD EXHIBITION (KG+) @HOTEL ANTEROOM KYOTO (京都)
2017 Labs New Artists @Red Hook Labs (ニューヨーク)
2016 PHOTOVOGUE/inFASHION @BASE MILANO (ミラノ)

2019.5.19 / 過去の展示 ギャラリー|ondo kagurazaka / 中村健太 写真展 -『ハロー、グッバイ。』東京巡回