小林茂太 写真展オーロラ2019年5月21日(火)〜6月9日(日)
※最終日18時まで
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アイスランドでの新婚旅行から帰って来て、
撮りためたフィルムを現像し、記憶を辿りながらネガを見返している時に顕れてきたのは、
この一枚一枚の写真の連なりの中でしか生まれ得ない、ひとつのストーリーだった。
今回、この「オーロラ」と題した写真集を作ろうと思い立ったのは、
何よりもまず、この掛け替えのない発見を作品という形で残したいという想いからだった。
自分にとってオーロラは、
最果ての地の象徴であり、また今回の旅のきっかけでもあった。
そして、実際に目にしたその幽かな姿は、
この一冊に封じたストーリーの様に曖昧で多義的なものだった。
「オーロラが見てみたい」
そんな妻の一言で旅先は決まった。
今では、その記憶もまたオーロラのように儚く漂っている。
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写真集 オーロラ
小林茂太 著
判型 258 × 186 mm
ポスター(468×364mm)付き
本体価格 2,500円(税込)
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写真家の小林茂太さんによる写真展です。
記録と記憶をつなげることで、見てないものや聴いていないものが現れることがあります。
文字で書かれた物語の行間を読むように、自分で紡いだ記録と記憶の間を
感じているのかもしれません。
シンとした空気をまとった作品集「オーロラ」は、そんな体験ができる静かな写真集です。
一個人の記録であるにもかかわらず、帰国後に時間をおいて編集されることで、
ページの合間にわずかな隙間がうまれました。
その隙間と私たちのいつかの記憶が紡がれることで、この写真集は
手にとった人それぞれに意味を持つものとなるでしょう。
旅行中に撮影された写真と写真集、そして第2作の構想ファイルが、
私たちをまだ終わらぬ旅へと連れていってくれます。
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プロフィール
小林茂太(Shigeta Kobayashi)
1985年 新潟県生まれ。
2008年 中央大学理工学部土木工学科卒業後、
服飾店勤務、大手撮影スタジオでのアシスタント業務を経て、
フリーランスフォトグラファーとしての活動を開始。
瀬戸内海の離島、小豆島で今も続く伝統的な醤油製法の取材をきっかけに、
本来の自然の時の流れの中で行われるものづくりや、
そこに寄り添い生きる人々、またその人々の考え方に関心を抱く。
以降、“人と、人智の及ばないものとの関係性“ をテーマに活動している。