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the something breath小山萌江 個展2018年9月4日(火)〜9月17日(月祝)
※最終日18時まで

先日、こんな内容の本を読んだ。
大きなものを作るために選んだ仕事をする中で、小さなものが部屋中いっぱいに陳列されている風景をみて、己の人生を変えた人の話。

たくさんの同じ物が正面を向いて(あるいは背を向けて)並ぶ姿に、物とは思えない妙な感情を抱いてしまうのはなぜだろう。
石であれ、瓶であれ、そこに生を見出し祈るような私たちが、消費されるものが増えた現代において、そういったものが何かを訴えかけているような感覚を見出すのは当然のことかもしれない。

哀しみか、反発か、熱狂か、いずれにせよ、そこに浮き出たものは自分自身の人生を映したものなのだろう。
そんな勝手な感情は素知らぬ様子で、描かれた物たちは彼女の作品の中にただ、佇み続けている。

消耗品、消費されていくもの、それらが「陳列」「羅列」「整列」されている様を描く小山さんの作品。
並んでいることと、彼女の画風があわさり、異様な迫力をうみだしています。
物が感情を持つことはありえないことでしょうか?
私たちの気持ち次第で、動き出し、語りかけてくる存在になりえるのかもしれないと、小山さんの作品は思わせてくれます。

プロフィール
小山萌江(Moe Koyama)
埼玉県生まれ。雑紙の挿絵や装画など中心にフリーランスで活動中。
ザ・チョイス入選。ノート展入選。イラストレーターズ通信会員。第16回TIS金賞。10月に受賞作品展。

2018.8.12 / 過去の展示 ギャラリー|ondo kagurazaka / the something breath – 小山萌江 個展