＜INTRODUCTION＞
雑誌に“巻頭特集”があるように、本屋にも“店頭特集”を作りました。
かもめブックス編集会議によって選ばれた特集テーマに基づいて、「私たちがお薦めしたい本」を店頭の大きな棚に並べています。
この特集をきっかけに、新しい本や世界と出会ってください。

「冬の景色に一冊の本を」
2025年2月10日〜3月2日

音が消えた世界に、なにか秘密を知った気分になった子どもの頃の冬の朝。
空はピシッと伸びたテーブルクロスのようだし、木も建物も「気をつけ」していて気持ちがよいです。

大人になった今は、できるだけ布団の中に入っていたいです。
雪景色にもロマンチックなどと思わず、ただ寒いと感じるだけ。

しかし、もしドストエフスキーを読むのなら、冬がいいのではと思います。
小説の中のサンクトペテルブルクが、現実に、今ここにあるように感じられます。

少し大げさだったかもしれませんが、冬を味わい深いムードに変えてくれる、そんな本があります。
春が来るまでの少しのあいだ、冬の景色に一冊の本を。